箱根温泉(はこねおんせん)

目次
- 0.1 箱根温泉は神奈川県足柄下郡箱根町の、箱根山の麓から中腹までに点在する温泉地の総称
- 0.2 箱根温泉へのアクセス
- 0.3 箱根温泉の概要
- 0.4 ①箱根湯本温泉(箱根湯本・塔ノ沢・畑宿エリア)
- 0.5 ➁塔之沢温泉(箱根湯本・塔ノ沢・畑宿エリア)
- 0.6 ➂大平台温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)
- 0.7 ④宮ノ下温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)
- 0.8 ➄堂ヶ島温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)
- 0.9 ➅木賀温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)
- 0.10 ➆底倉温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)
- 0.11 ⑧二ノ平温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)
- 0.12 ⑨小涌谷温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)
- 0.13 ⑩強羅温泉(強羅・宮城野エリア)
- 0.14 ⑪宮城野温泉(強羅・宮城野エリア)
- 0.15 ⑫仙石原温泉(仙石原エリア)
- 0.16 ⑬姥子温泉(仙石原エリア)
- 0.17 ⑭芦之湯温泉(芦之湯・芦ノ湖エリア)
- 0.18 ⑮湯ノ花沢温泉(芦之湯・芦ノ湖エリア)
- 0.19 ⑯蛸川温泉(芦之湯・芦ノ湖エリア)
- 0.20 ⑰芦ノ湖温泉(芦之湯・芦ノ湖エリア)
- 0.21 箱根山(はこねやま)
- 1 箱根山 有史以降の火山活動
箱根温泉は神奈川県足柄下郡箱根町の、箱根山の麓から中腹までに点在する温泉地の総称

箱根温泉へのアクセス
鉄道経由:鉄道経由:東京駅から、JR東日本で小田原経由、小田急線に乗り換えて箱根湯本まで55分、小田急箱根湯本駅より徒歩約5~20分。東京からJR東日本で湯河原まで87分、新宿から小田急線で箱根湯本まで85分、他。
車:東京より、東京I.Cから東名高速に入り、厚木JCTから小田原厚木有料道路に乗り換え、小田原西I.Cから箱根口I.Cより箱根湯本まで、70.2km、60~70分。東名高速御殿場I.Cを下りて国道38号経由、仙石原まで19.6km、31分。
箱根温泉の概要
箱根温泉は神奈川県足柄下郡箱根町の、箱根山の麓から中腹までに点在する温泉地の総称です。箱根全山十七湯から、1日2万5千トンもの温泉が湧出。その湧出量は全国5位。多くの源泉と多種の泉質が有り、源泉掛け流しも多く在る。一帯は富士箱根伊豆国立公園に指定。箱根湯本は十七湯の中で最も古い歴史を持ち、開湯は奈良時代の天平10年(738年)で、早雲寺の文書に残る「熊野権現願文」に「奈良時代の天平年間に白山の創業者泰澄の弟子浄定坊が湯本の温泉を開いた。」と記されており、釈浄定坊が発見したものが「惣湯」として現在も使われ、湯本熊野神社(神奈川県足柄下郡箱根町湯本614)の社殿の下にその源泉が在る。熊野速玉大社の御祭神「熊野速玉大神」を湯本温泉の開発にあたり鎮守として権請されたと言われている。小田原北條の武将たちが早雲寺参詣のたびに、ここの温泉に浴したので『北條氏の足洗いの湯』とも言われた。また、熊野を音読みすると「ゆや」となるところから、「ゆや権現」として崇敬されて来た。白山神社(神奈川県足柄下郡箱根町湯本431)は、738年(天平十年)に浄定坊が白山比咩神社(しらやまひめ)の祭神を勧請し、十一面観音を刻んで修法を行うと温泉が湧き出したと伝わる神社で、その湯が当時蔓延していた疱瘡を治したという伝承が残されている。嘉永年間(1848~1854年)に、小田原北条氏の菩提所早雲寺()の境内から現在地に移された。「早雲寺」は北条早雲の菩提寺。北条五代の墓地や連歌師宗祇の供養塔がある。庭園は室町、鎌倉期の禅院様式をくんだもの。
箱根温泉が広く知られるようになったのは、豊臣秀吉の小田原征伐がきっかけと言われます。広大な小田原城を攻めるため全国の武士を集め長期滞陣した際、その無聊を慰めるため温泉に入ったといわれています。
江戸時代は五街道の一つ東海道に沿った温泉として繁栄、「箱根七湯」として知られていた。この頃の箱根七湯は、湯本・塔之沢・堂ヶ島・宮ノ下・底倉・木賀・芦之湯。開湯が古く街道から大きく外れていた姥子の湯(姥子温泉 ; 単純温泉、カルシウム-硫酸塩泉、ナトリウム-硫酸塩泉)を入れて「箱根八湯」と呼ぶ場合もある。徳川家光、徳川綱吉の時代には、将軍への献上湯も度々行われていた。
明治以後、箱根は保養地、観光地としての開発が進み、1919年には箱根登山鉄道鉄道線が山上まで達。さらに太平洋戦争終戦後まもなく小田急電鉄が箱根湯本駅まで乗り入れ、非常に便利になった。直通運転開始後は、西武鉄道グループと小田急グループの箱根山戦争の舞台となり、結果多くの観光客が訪れるようなる。新たな温泉の開発も進み、上記の八湯に加え明治以降に開かれた、大平台・小涌谷・二ノ平・強羅・宮城野・仙石原・湯ノ花沢・芦ノ湖・蛸川の9つの温泉を合わせて「箱根十七湯」と称するようになった。さらに早雲山、大涌谷、湖尻の3か所を加えて「箱根二十湯」と呼ぶこともある。



①箱根湯本温泉(箱根湯本・塔ノ沢・畑宿エリア)

箱根湯本温泉へのアクセス
鉄道経由:東京駅・新宿駅~小田原駅~箱根湯本駅、箱根湯本駅より徒歩約5~20分、駅からバスで(有料)5~10分。
車:東名厚木IC~小田原厚木道路(小田原西)~箱根新道(須雲川IC)~小田原西IC~須雲川IC~須雲川ICおりてすぐの信号右折~県道732号線経由、44~45分、40~45kmなど。
概要
神奈川県足柄下郡箱根町湯本・湯本茶屋の、標高100~200m付近に在り、箱根湯本駅から箱根山方向を見ると、巨像の背の様な尾根が続いている湯坂山が見える。湯坂山という名は「温泉の出る急坂の山」という意味で、山にある横穴からは今でも温泉が湧出中。箱根七湯の中で最古の開湯で、757年(奈良時代の天平10年)で、泰澄弟子の浄定坊が湯本温泉を開いたと伝わる。開湯については、江戸中期の俳人で古典学者でもあった北村季吟が、元禄二年(1689年)に著した『湯もとの記』にも記す。奈良時代の天平年間(721~748)に発見されたと伝わる。宿泊施設、お土産屋も多く、箱根温泉の中心的存在。箱根湯本駅は、小田急ロマンスカー、箱根登山鉄道、箱根登山バス等の交通機関が集まる箱根の玄関口。戦国時代に北条早雲の遺言により創建された早雲寺、鎌倉時代以来、街道の旅人の信仰を集めた正眼寺、明治時代建築の国指定重要文化財や国登録有形文化財の宿・食事処など、深い歴史が感じられる建造物が点在。秋の紅葉シーズン(11月)には一年で最大の賑わいを見せる。その到来を告げ、毎年11月3日に行われるのが箱根湯本での「大名行列」で、箱根町住民と公募による一般参加者の仮装行列が呼び物で、最近では外国人の侍や腰元姿も目に付くようになった。
泉質等
泉質:単純温泉、アルカリ性単純温泉、ナトリウム─塩化物泉(弱食塩泉)、ナトリウム─カルシウム─塩化物・硫酸塩泉(含石膏弱食塩泉)、ナトリウム─塩化物・硫酸塩泉(含芒硝弱食塩泉)、ナトリウム・カルシウム─塩化物泉(含塩化土類弱食塩泉)
源泉数:74
泉温:23〜77℃
pH:8.3~9.6など
液性:弱アルカリ~アルカリ性 低張性 高温泉
湧出量 :4,679ℓ/min
湧出状況:自然湧出、掘削自噴、動力揚湯
利用状況:加水加温、循環濾過、塩素消毒、源泉掛け流し在り
知覚:無色澄明、無味~塩味、無臭~微硫化水素臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌の湯、切り傷、慢性皮膚病など
飲用 一部可
➁塔之沢温泉(箱根湯本・塔ノ沢・畑宿エリア)

塔之沢温泉へのアクセス
鉄道経由:JR小田原駅乗換、小田急又は箱根登山鉄道箱根湯本駅下車バス5分。
車:東名厚木ICから厚木小田原バイパス~小田原西IC(箱根方面出口)~箱根方面へ出て国道1号線へ。箱根湯本駅前を通り1kmなど。
概要:足柄下郡箱根町塔之沢の標高130m付近に在る温泉。湯坂山と塔の峰の間の峡谷に位置。早川が塔之沢を廻るように流れ、新緑、紅葉を目近に楽しめます。登録有形文化財の宿「環翠楼」や「福住楼」をはじめ和風旅館が立ち並ぶ塔之沢は、昔ながらの風情が残っている温泉場であり、川端康成他、多くの文人墨客に愛された。木食遊行僧として知られる弾誓上人(たんせいしょうにん/阿弥陀寺開山)が慶長10年(1605)に発見したと伝わる。江戸時代以降に開けた温泉地で七湯の内では歴史は新しいが、良質の温泉が豊富に湧出。
泉質等
泉質: 単純温泉、アルカリ性単純温泉
源泉数:9
泉温:38〜63℃
pH:7.6~8.9など
液性:弱アルカリ~アルカリ性 低張性 高温泉
湧出量:793ℓ/min
湧出状況:自然湧出、動力揚湯
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:無色澄明、無味無臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌の湯、切り傷、慢性皮膚病など
飲用 -
➂大平台温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)

大平台温泉へのアクセス
鉄道経由:JR小田原駅乗換、箱根登山鉄道大平台駅下徒歩3~10分。「大平台バス停」より徒歩約3~5分。
車:小田原厚木道路~小田原西IC~小田原厚木道終点1号線20分など。
概要
神奈川県足柄下郡箱根町大平台の標高330m付近に在る温泉。その昔、浅間山(せんげんやま・標高802メートル)に住む大蛇を村人が退治した際、苦し紛れに尾を振りたてた所が平らになったことから「尾平台」と呼ばれ、それが変化して大平台といわれるようになったと伝わる。大平台から湧く名水を北条氏の姫君たちが化粧水として使ったとも、豊臣秀吉が小田原攻めの際に立ち寄った時、茶の湯に使ったとも伝えられ、「姫の水」と呼ばれる。明治時代になってからも明治天皇の皇后、昭憲皇太后の化粧水として献上された記録が残る。春のしだれ桜、夏はあじさい、冬は山茶花が咲く。大平台は、元々箱根細工の産地として開けてきたが、温泉を切望する住民らが資金を出し合い宮ノ下から引湯、昭和26年(1951)に温泉場としての歴史が始まった。
泉質等
泉質:アルカリ性単純温泉、ナトリウム─塩化物泉(弱食塩泉)、ナトリウム─塩化物・硫酸塩泉(含芒硝弱食塩泉)など
源泉数:8
泉温 50〜63℃
pH:8.3~8.7~9.18など
液性:弱アルカリ~アルカリ性 低張性 高温泉
湧出量:532ℓ/min
湧出量:793ℓ/min
湧出状況:動力揚湯(引湯)
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:無色透明、無味~塩味、無臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌など
飲用 -
④宮ノ下温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)

宮ノ下温泉へのアクセス
鉄道経由:JR東海道線・小田急線アクセス箱根登山鉄道宮ノ下駅下車徒歩7分。
車:東名高速道路御殿場ICまで138号線を車で35分~御殿場ICから車で35分~厚木ICまで小田原厚木道小田原西ICから国道1号線経由30分など。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下の標高約420m、国道1号と138号の分岐する付近に在る温泉。箱根山の中腹に在って箱根七湯の一つとして賑わい、幕末以降は多くの外国人が逗留する西洋的な雰囲気の温泉場となる。中心的存在の富士屋ホテルは、現在でも当時の重厚な雰囲気を残す箱根のシンボルの一つ。富士屋ホテル別館「菊華荘」は、元御用邸。また、骨董を扱う店も多くあり、外国人客が多かった時代を彷彿とさせる。19世紀半ばに横浜が開港されてから脚光を浴び、横浜の居留地の外国人は、自由に旅が出来なかったが箱根までは許可を得られ、馬やチェアと呼ばれる椅子型のカゴに乗って来訪。明治11年(1878)に外国人専用の富士屋ホテルが開業されると国際観光地箱根としての第一歩が始まる。
泉質等
泉質:単純温泉、アルカリ性単純温泉、ナトリウム─塩化物泉(弱食塩泉)
源泉数:21
泉温:24〜96℃
pH:7.7~8.4など
液性:弱アルカリ性 低張性 低温~高温泉
湧出量:1,999ℓ/min
湧出状況:自然湧出
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:無色透明、無味~微塩味、無臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌の湯、切り傷、慢性皮膚病など
飲用 -
➄堂ヶ島温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)


堂ヶ島温泉へのアクセス
鉄道経由:箱根湯本駅から箱根登山鉄道に乗り換え22分「宮ノ下」下車、徒歩5~10分。箱根湯本から湖尻・桃源台・元箱根方面行きバスで「宮ノ下」下車、徒歩5~10分。
車:東名高速厚木IC→小田原厚木道路終点→国道1号線で宮の下まで51分、駐車場から徒歩3~5分。(小田原厚木道路の終点から約5km)
概要:神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下標高350m、早川の堂ヶ島渓谷に在る温泉。後醍醐天皇や足利尊氏などが帰依した臨済宗の高僧・夢想疎石(夢窓国師/1275~1351)がこの温泉を開いたと伝わる。江戸時代は、箱根七湯の一つして、多くの旅人が訪れる。徒歩でしか行けない秘境・堂ヶ島温泉は、都会の喧噪に疲れた心身を休めるには最適で、松本清張作『蒼い描点』の舞台としても知られる。唯一残っていた「對星館」も平成25年8月末をもちまして営業を終了した(「對星館」HPの2013.09.01営業終了のお知らせ)。リノベーションの計画もあるらしいが詳細は不明。
泉質等
泉質:ナトリウム─塩化物泉(弱食塩泉)、ナトリウム─塩化物・硫酸塩泉(含芒硝弱食塩泉)など
源泉数:5
泉温 :56〜81℃
pH:平均8.2
液性:弱アルカリ性 低張性 高温泉
湧出量:361ℓ/min
湧出状況:自然湧出、動力揚湯
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:無色透明、無味~微塩味、無臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌の湯、切り傷、慢性皮膚病など
飲用 -
➅木賀温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)

木賀温泉へのアクセス
鉄道経由:東海道新幹線から小田原駅で箱根登山鉄道へ乗換え、宮ノ下駅下車、徒歩5~15分。箱根登山バス「宮ノ下温泉」バス停より徒歩5~20分。
車:東名高速厚木IC~小田原厚木道路から国道1号線から宮の下信号より国道138号へ入り、約1時間、48~48.8kmなど。
概要:神奈川県足柄下郡足柄下郡箱根町木賀の標高440m、宮ノ下・富士屋ホテル前で国道1号線から分かれて国道138号に入ってすぐの深い谷にかかる八千代橋を渡った地域。138号線をしばらく行くと、左の山側に「木賀温泉源泉地」があり、ポンプからは白い湯気が上がる。近くには「木賀の里」というバス停があるが現在開いている旅館は無い。箱根七湯の一つ。子宝に恵まれるという評判が高かった木賀温泉の湯は、江戸初期には将軍に献上するために江戸まで運ばれた。往時、木賀温泉には上ノ湯、菖蒲ノ湯、岩ノ湯、谷ノ湯、大滝ノ湯が5つの元湯があって湯治客でにぎわい、外国人にも愛されていた温泉場だった。
泉質等
泉質:単純温泉、アルカリ性単純温泉、ナトリウム─塩化物泉(弱食塩泉)、ナトリウム・カルシウム─塩化物・炭酸水素泉(含土類弱食塩泉)など
源泉数:10
泉温:20〜80℃
pH:7.38など
液性:中性 低張性 高温泉
湧出量:605ℓ/min
湧出状況:自然湧出
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:無色透明~白濁、無味~微塩味、無臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌の湯など
飲用 -
➆底倉温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)

底倉温泉へのアクセス
鉄道経由:箱根湯本駅から箱根登山バスの箱根町線 に乗り「神社下」バス停下車、徒歩1分。
車:東名高速厚木I.Cより小田原厚木道路終点~国道1号線経由、約1時間、48~48.5kmなど。
底倉温泉の概要:神奈川県足柄下郡箱根町底倉の標高440m、早川と蛇骨川が合流する渓谷の上に在る温泉で、宮ノ下温泉に囲まれ、国道1号と蛇骨川に挟まれた地域。国道1号が宮ノ下まで開通したのは明治20年(1887)で、芦之湯方面に新道開削され始めたのは明治35年(1902)なので、それまではもう少し広めの地形で、堂ヶ島や宮ノ下の一部を含めた範囲も底倉村と呼ばれていた。天正18年(1590)、豊臣秀吉は天下統一を目指して小田原攻めを行いますが、秀吉軍の将兵たちが底倉の湯で疲れを癒したといわれる。江戸時代には、箱根七湯の一つとして賑わった。
泉質等
泉質:単純温泉、ナトリウム-塩化物泉(弱食塩泉)
源泉数:28
泉温:27〜95℃
pH:7.8~8.4など
液性:弱アルカリ性 低張性 高温泉
湧出量:1,020ℓ/min
湧出状況:
利用状況:
知覚:無色透明、無味~微塩味、無臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌の湯、切り傷、慢性皮膚病など
飲用 -
⑧二ノ平温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)

二ノ平温泉へのアクセス
鉄道経由:箱根湯本駅より箱根登山鉄道利用で彫刻の森駅下車、徒歩5~15分。
車:東名高速厚木ICより小田原厚木道路→箱根IC→国道1号線利用で50~55分、50~51kmなど。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平の標高550m、小涌谷と強羅の中間に在る温泉。旅館は現在2軒のみで、彫刻の森美術館がこの地の中心的存在。昭和38年(1963)に温泉が湧出。その昔、浅間山(標高802メートルの箱根外輪山)に住んでいた大蛇を、村人が弓矢で退治しようとしたときに苦しみもがいた大蛇が尻尾をはねあげ、最初の一打ちで出来たのが大平台、次の一打ちで出来たのが二の平の台地と伝わる。箱根登山鉄道の駅名もかつては「二ノ平駅」と称していたが、昭和44年(1969)に彫刻の森美術館が開館し、3年後の昭和47年(1972)に「彫刻の森駅」と改称された。
泉質等
泉質:単純温泉、アルカリ性単純温泉、ナトリウム-塩化物泉(弱食塩泉)、ナトリウム-カルシウム─塩化物泉(含塩化土類弱食塩泉)、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(含重曹弱食塩泉)など
源泉数:24
泉温:44〜91℃
pH:7.7~8.6など
液性:弱アルカリ~アルカリ性 低張性 高温泉
湧出量:1,528ℓ/min
湧出状況:掘削自噴、蒸気造成
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:無色透明、無味~微塩味、無臭
適応症
浴用 切り傷、やけど、慢性皮膚病、美肌の湯など
飲用 -
⑨小涌谷温泉(宮ノ下・小涌谷・大平台エリア)

小涌谷温泉へのアクセス
鉄道経由:箱根湯本駅より箱根町方面行きバスに乗り約20分、「小涌園」バス停下車、徒歩約5~10分。
車:東名高速厚木インターより小田原厚木道終点箱根口I.Cから国道1号線で約20分など。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷の、仙元山の北から南西麓の蛇骨川最上流部の標高610m付近に在る温泉。昔は噴煙が上がる荒涼とした地形で小地獄と呼ばれていましたが、明治6年(1873)、明治天皇が宮ノ下へ行幸の折、地獄というのは不吉であるとの理由で小涌谷と改名。この地域は古くは底倉村の共有地だったが、箱根への交通網が急速に発展し始めた明治10年代後半、横浜の実業家・榎本猪三郎たちによって温泉場として開発され始めた。明治16年(1883)に榎本猪三郎・恭三親子が開業した三河屋旅館には、歌人の与謝野寛・晶子夫妻も逗留し、名湯としての歴史を刻み始めました。昭和34年(1959)に建てられた箱根ホテル小涌園は、箱根の大型ホテル第1号ともいえるホテルで、小涌谷を大きく発展させてきましたが、惜しまれつつ平成30年(2018)閉館。しかし、2023年7月、長年親しんでいただいた「箱根ホテル小涌園」の名称を引継ぎ、『ユネッサンと一体的に「温泉」「自然」「食事」を体験できるホテル』として生まれ変わりるべく開発が進行中。
泉質等
泉質:単純温泉、アルカリ性単純温泉、ナトリウム-塩化物泉(弱食塩泉)、ナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素⑨(含芒硝重曹弱食塩泉)
源泉数:22
泉温:40〜96℃
pH:8.1など
液性:弱アルカリ~アルカリ性 低張性 高温泉
湧出量:1,819ℓ/min
湧出状況:動力揚湯
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:無色透明、無味~微塩味、無臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌の湯、切り傷、慢性皮膚病など
飲用 -
⑩強羅温泉(強羅・宮城野エリア)

強羅温泉へのアクセス
鉄道経由:箱根登山鉄道「強羅」駅より徒歩3分。
車:車/東名高速厚木インターから小田原厚木道路へ入り~箱根口I.Cで下りて国道1号線を御殿場方面へ約20分、木賀坂下で県道723号線を強羅方面へ進み、1時間前後、50~53kmなど。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町強羅の、箱根で一番標高の高い早雲山東斜面の標高500m付近に位置し、外輪山の明星ヶ岳(大文字山)を正面に見る温泉の豊富な「坂と温泉」の街。“登山電車の終着駅”“ケーブル線の始発駅”また「箱根施設めぐりバス」が交わるターミナルとしてアクセスの良さや、箱根の中心に位置する観光拠点として便利。強羅は、明治27年(1894)、早雲山や大涌谷などからの引湯による温泉開発が始まるまでは大草原だった。明治45年(1912)以降本格的な開発が始まり、大正3年(1914)に日本初のフランス式整型庭園の強羅公園が開園。大正8年(1919)年には登山鉄道が強羅まで開通し、付近一帯が温泉付きで分譲されると、政財界人や文人達が続々と大別荘を建て現在の強羅の町並みが形成された。強羅(ごうら)という地名の由来は、一帯が岩石の堆積で出来た傾斜地で石がごろごろしているからという説や、梵語(ぼんご・サンスクリット)で「ゴーラ(石の地獄)」という語から取ったという説がある。昭和27年(1952)初めて温泉掘削に成功し、以後数多くの温泉が掘り当てられた。
泉質等
泉質:造成温泉 カルシウム─硫酸塩泉(石膏泉)、含硫黄─カルシウム-硫酸塩泉(硫化水素型・含石膏硫化水素泉) ボーリング孔温泉 単純温泉、アルカリ性単純温泉、ナトリウム─塩化物泉(弱食塩泉)、ナトリウム・カルシウム─塩化物泉(含塩化土類弱食塩泉)、ナトリウム・カルシウム─塩化物・硫酸泉(含石膏弱食塩泉)、カルシウム─硫酸塩泉(石膏泉)、ナトリウム─硫酸塩泉(芒硝泉)
源泉数:30
泉温:30〜93℃
pH:2.2~2.9、8.3~8.6
液性:酸性~弱アルカリ~アルカリ性 低張性 高温泉
湧出量:3,039ℓ/min
湧出状況:自然湧出(引湯)・蒸気造成(引湯)、掘削自噴・動力揚湯
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:白濁・渋味・硫化水素臭、無色澄明・無味~微塩味無臭
適応症
浴用 きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、動脈硬化症
飲用 -
⑪宮城野温泉(強羅・宮城野エリア)

宮城野温泉へのアクセス
鉄道経由:箱根登山鉄道の箱根湯本よりタクシーで約20分。
車:東名高速厚木にI.Cより小田原厚木道路へ入り、箱根口I.Cを下りて国道1号線経由、55~60分、52~53kmなど。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町宮城野の、大文字焼きで知られる明星ヶ岳とそれに続く明神ヶ岳の山裾の標高480~600mに広がる集落で、古代の箱根・足柄越えの主要ルート・碓氷道(御殿場~乙女峠~仙石原~明神ヶ岳の山麓に位置する碓氷峠~南足柄市・関本)の途中に位置する。明星ヶ岳、明神ヶ岳の登山口としても有名で、様々なハイキングコースがある。宮城野が箱根温泉の一つに数えられるようになったのは昭和30年代。それまでは農業が主産業だったが、昭和33年(1958)頃から木賀や強羅からの引湯で温泉を利用し、昭和40年に明神ヶ岳のふもとから温泉が湧出してからは保養所や寮が増えた。
泉質等
泉質:アルカリ性単純温泉、ナトリウム・カルシウム─塩化物・硫酸塩泉(含石膏弱食塩泉)など
源泉: 4
泉温:63〜71℃
pH:7.97~8.47など
液性:弱アルカリ性 低張性 高温泉
湧出量:272ℓ/min
湧出状況:自然湧出、動力揚湯
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:無色透明、無味~塩味無臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌の湯など
飲用 -
⑫仙石原温泉(仙石原エリア)

仙石原温泉へのアクセス
鉄道経由:箱根登山鉄道の強羅駅より観光施設巡りバスで15分。
車:東名高速御殿場インターより、乙女峠国道138号経由、20分、12~15kmなど。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原の標高700m高原地帯に在る温泉。火打石岳(標高989メートル)、金時山(標高1213メートル)、長尾峠(標高911メートル)などの山麓に広がる高原には、テニスコートやゴルフ場、別荘、ホテル、旅館が点在。また、箱根ガラスの森美術館、星の王子さまミュージアム、ラリック美術館、ポーラ美術館など、日本を代表する美術館も揃ったリゾート地。仙石原は、古くは芦ノ湖の湖底の一部だったが、神山の水蒸気爆発によって水がせき止められて出来た湿原地帯から、やがて高原になった。江戸時代は裏関所として仙石原関所が設けられ、旅人たちの通行が制限されていた。江戸時代中期頃から大涌谷からの引湯が試みられたが、本格的に温泉が利用され始めたのは明治時代からで、昭和初期以降は別荘地として発展した。
泉質等
泉質:酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉(石膏泉)、単純硫黄泉(硫化水素型)
源泉数:32
泉温:70℃
pH:2.0~2.1~2.9など
液性:酸性 低張性 高温泉
湧出量:3,212ℓ/min
湧出状況:自然湧出(引湯)、蒸気造成(引湯)
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:無色~白濁、無味、無臭~硫化水素臭
適応症
浴用 切り傷、やけど、慢性皮膚病、美肌の湯など
飲用 -
⑬姥子温泉(仙石原エリア)

姥子温泉へのアクセス
鉄道経由:東海道新幹線小田原駅~箱根登山バス又は伊豆箱根バス約50分
車:東名高速厚木インターより、小田原厚木道路の箱根口I.Cを下りて、国道138号から国道1号線経由、1時間から1時間20分、56~58km。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根桃源台の標高885m、大涌谷と桃源台の中間の閑静な高原に在る温泉。その昔、坂田公時(金太郎)の約3千年前に起きた神山の水蒸気爆発で岩屑が堆積してできた扇状地の台地に在り、古くから岩場から自然湧出する湯を利用している。元は「神山」をご神体山とする箱根山岳信仰の拠点であった温泉霊場で、今も苔むした石祠や、病気平癒の祈願の古い薬師堂や地蔵堂が残る。平安時代の武将・源頼光の忠臣であった坂田公時こと金太郎の乳母が、この湯を発見して金太郎の眼病を治したという古事から姥子温泉と呼ばれるようになり、眼病に効く温泉として知られている。夏目漱石も眼病を湯治で癒し、小説「我輩は猫である」にも湯治客でにぎわう姥子温泉が登場する。姥子バス停近くの「秀明館」は、昔の湯治場の雰囲気を今に伝える湯治湯として親しまれ、大正時代に建てられた建物に改修されて日帰りの湯治温泉「姥子 秀明館」として営業している。
泉質等
泉質:単純温泉、カルシウム─硫酸塩泉(石膏泉)、ナトリウム─硫酸塩泉(芒硝泉)など
源泉数:5
泉温:44〜63℃
pH:3.3~3.4~7.1など
液性:弱酸性~中性 低張性 高温泉
湧出量:762ℓ/min
湧出状況:自然湧出、動力揚湯、蒸気造成(引湯)
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:無色透明~微懸濁、無味~微塩味、無臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌の湯など
飲用 -
⑭芦之湯温泉(芦之湯・芦ノ湖エリア)

芦之湯温泉へのアクセス
車:東名高速厚木ICより小田原厚木道路へ入り、箱根口IC~箱根新道の須雲川IC経由、約1時間54.7kmなど。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯、駒ヶ岳の南山麓標高870mに在る温泉。古代湿原だった芦之湯は、平らな草原のような地形で、湿原の面影は阿字ヶ池弁財天が祀ってある周辺を中心に残る。戦後、一世を風靡した人気作家獅子文六(1893~1969)の小説『箱根山』に登場する温泉場としても知られる。
泉質等
泉質:単純温泉、単純硫黄温泉(硫化水素型)、含硫黄-カルシウム-硫酸塩泉(硫化水素型)、カルシウム─硫酸塩泉(石膏泉)など
源泉数:4
泉温:26〜84℃
pH:平均7.2、~8.1
液性:弱アルカリ性 低張性 低温~高温泉
湧出量:319ℓ/min
湧出状況:自然湧出、蒸気造成、動力揚湯
利用状況:源泉掛け流し
知覚:無色~白濁、無味、無臭~硫化水素臭、白い湯花・沈殿物
鉄道経由:箱根湯本駅より箱根登山バスで約25分「東芦の湯」下車 徒歩にて3分など。
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、高血圧症、動脈硬化症など
飲用 -
⑮湯ノ花沢温泉(芦之湯・芦ノ湖エリア)

湯の花沢温泉へのアクセス
鉄道経由:小田原駅からタクシーで40分、路線バスで45分。
車:東名高速厚木I.Cから小田原厚木道路経由、約1時間、56.4km。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯の標高950m、芦之湯温泉から駒ヶ岳へ向かう道筋に在る温泉。箱根17湯の中で最高所に在り、眼下には芦ノ湯、箱根外輪山の山並みに加え、晴れた日には、小田原市内や三浦半島、房総半島まで見渡せる。箱根の最高峰神山(標高1438m)と駒ヶ岳の両火山体を両側に臨む地形に位置し、あちこちで小規模な噴煙を上げ温泉が自然湧出。自然湧泉から生じる「湯の花」(温泉の沈殿物)が一面に広がっている沢が在ることから「湯ノ花沢温泉」という名前が付いた。昔はこの沢で盛んに「湯の花」が採取されていた。明治23年(1890)頃になるとこの自然湧泉が利用されるようになった。当初ははるか相模湾を見渡せる眺望を楽しむ露天風呂だけが作られ、与右衛門湯、弘法湯、権現湯などと呼ばれる湧出口を持ち、特に皮膚病に効果があり湯治客が多かった。
泉質等
泉質:単純硫黄温泉(硫化水素型)、酸性-含硫黄─アルミニウム・鉄(Ⅱ)-硫酸塩泉(硫化水素酸性明ばん緑ばん泉)または、酸性-含硫黄-アルミニウム-硫酸塩泉(硫化水素酸性明ばん泉)
源泉数:1
泉温:55℃
pH:5.67
液性:弱酸性 低張性 高温泉
湧出量:1,239ℓ/min
湧出状況:蒸気造成
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:白濁、無味、硫化水素臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、高血圧症、動脈硬化症など
飲用 -
⑯蛸川温泉(芦之湯・芦ノ湖エリア)

蛸川温泉へのアクセス
鉄道経由:小田急線箱根湯本駅よりタクシーで30分、バスで60分。
車:東名高速御殿場I.Cより乙女峠経由で、約40分、23kmなど。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根の標高725~900m付近、駒ケ岳を背景に芦ノ湖畔の箱根神社北側から九頭龍神社近くまでに広がるリゾート地域の箱根園周辺の温泉。箱根園の広大な園地には、「箱根園水族館」や「駒ケ岳ロープウェー」「芦ノ湖遊覧船」「ザプリンス箱根 湖畔の湯」などが点在。冬には「雪・そり広場」で雪遊びも楽しめる。駒ケ岳西麓に位置する温泉17湯の中で最も新しい。戦前から温泉開発は行われていたものの実現せず幻の温泉といわれていたが、昭和62年(1987)、駒ヶ岳ロープウェー北側に温泉が噴出。当初は「芦ノ湖温泉」と共に「元箱根温泉」を構成していたが、平成5年(1993)に分離独立する形で「蛸川温泉」として箱根17湯に入った。
泉質等
泉質:単純温泉、カルシウム-硫酸塩泉
源泉数:2
泉温:42〜64℃
pH:7.9
液性:弱アルカリ性 低張性 高温泉
湧出量:128ℓ/min
湧出状況:動力揚湯
利用状況:加水加温、循環濾過、塩素消毒
知覚:無色透明、塩味無臭
適応症
浴用 切り傷、やけど、慢性皮膚病、美肌の湯など
飲用 -
⑰芦ノ湖温泉(芦之湯・芦ノ湖エリア)


芦ノ湖温泉へのアクセス
鉄道経由:小田急線箱根湯本駅より箱根町港行きバスで「元箱根港」下車、約40分など。
車:東名厚木IC~小田原厚木道路・箱根口ICを経由し箱根新道へ入り、芦ノ湖大観ICを出て元箱根港方面へ、約1時間、53~55kmなど。
概要:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根の標高725m、芦ノ湖の南畔の元箱根から国道1号線沿いに関所を越えて箱根へと1.5キロメートルほどにまたがる地域に在る温泉。箱根神社、恩賜箱根公園、杉並木など、歴史を語るスポットや、箱根芦ノ湖成川美術館、箱根駅伝ミュージアムなどの観光地も多く、芦ノ湖の元箱根港、箱根町港には海賊船が行き来し、逆さ富士など富士の絶景が望める。元箱根は箱根神社の門前町として、関所をはさんで箱根は東海道53宿の宿場町として栄えて来た。昭和41年(1966)、芦之湯から元箱根までお湯が引かれて以降に温泉利用が始まる。昭和46年(1971)に、湯ノ花沢で温泉造成が始まり、元箱根地区まで引き湯された。山のホテルには、芦ノ湖温泉唯一の自家源泉が在る。「富士山が見える場所には温泉は湧かない」というジンクスを乗り越え、平成18年(2006)に地下約1,000mから掘削された。当初は「蛸川温泉」を含む「元箱根温泉」を構成していたが、平成5年(1993)に「蛸川温泉」が分離独立すると「芦ノ湖温泉」となった。
泉質等(湯の花沢温泉に同じ)
泉質:単純温泉、単純硫黄温泉
源泉総数:1
泉温:70〜80℃
pH:5.7
液性:弱酸性 低張性 高温泉
湧出量:800〜900ℓ/min(引湯量)
湧出状況:蒸気造成(引湯)
利用状況:源泉かけ流し在り
知覚:白濁、硫化水素臭
適応症
浴用 神経痛、筋肉痛、冷え性、美肌の湯、切り傷、慢性皮膚病など
飲用 -
箱根山(はこねやま)


箱根山は、日本の神奈川県足柄下郡箱根町を中心に神奈川県と静岡県にまたがる火山の総称で、最高点の標高は1,438m (神山:三角点・冠ケ岳)です。富士箱根伊豆国立公園に指定されています。地名「箱根」は古くは「函根」と記したが、同じく「箱根山」は函根山と記し、函嶺(かんれい)とも呼ばれました(函嶺洞門、函南町などといった地名に名残があります)。約40万年前に活動を開始した第四紀火山で、カルデラはおおよそ東西8km、南北12km、外輪山は玄武岩~安山岩の成層火山群からなり、前期中央火口丘(新期外輪山)は安山岩~デイサイトの溶岩および溶岩ドームからなります。後期中央火口丘は安山岩で、成層火山である神山や駒ヶ岳および二子山などの溶岩ドーム群から形成されます。主峰の神山の北側に活発な噴気地帯である大涌谷と早雲山があり、駒ヶ岳東麓にも湯の花沢・硫黄山噴気地帯があり、内側には芦ノ湖が在ります。噴火の歴史記録はないが、噴気の活発化や、崩壊・土石流がしばしば発生するほか、群発地震が観測されています。最新のマグマ噴火では、神山の北側斜面に溶岩ドームが貫入して現在の冠ヶ岳が形成された一方、山体崩壊により岩屑なだれが発生。岩屑なだれ堆積物は早川をせき止めて、芦ノ湖が現在の形になりました。その後、大涌谷周辺で数回の水蒸気爆発があったことが地質調査により知られていまる。箱根火山の熱源であるマグマだまりの規模や大きさは不明ですが、これまでの地震観測の結果からマグマだまりの上端は地下5km以下の位置にあると考えられています。山体の南側に大きく侵食された湯河原火山が接している。気象庁の常時観測火山に指定されています。
箱根山 有史以降の火山活動
有史以降の火山活動(▲は噴火年を示す)
火山活動は静穏であるが、大涌谷等で噴気活動がみられる。群発地震活動を繰り返しており、2001年にはダイク貫入による地殻変動と地震活動が観測された。その後も2006年及び2008~2009年、2015年、2019年には地殻変動を伴う群発地震活動が観測されており、2015年には噴火が発生した。群発地震活動は地下深部からの流体供給が引き金になっているという見方もある。
| 年代 | 現象 | 活動経過・被害状況等 |
|---|---|---|
| ▲12世紀後半から13世紀ごろ | 水蒸気噴火 | 3回の火砕物降下。噴火場所は大涌谷付近。 |
| 1933(昭和8)年 | 噴気・温泉異常 | 2月。大涌谷の噴気孔の移動、姥子(うばこ)温泉湧出量減少。 |
| 1933(昭和8)年 | 噴気 | 5月10日。大涌谷の噴気孔で大音響とともに噴出、死者1名。 |
| 1934(昭和9)年 | 鳴動、熱 | 2月。駒ヶ岳付近で鳴動、山麓一帯、地温上昇し、樹木枯死、土塊の盛上り。22日午後4時頃、駒ヶ岳北西の神山との鞍部で噴気が発生し、噴気の高さは200mに及ぶ。翌日まで活動。 |
| 1953(昭和28)年 | (山崩れ) | 7月26日。早雲 (そううん)地獄で山崩れ、死者10名、負傷者16名。全壊家屋1棟。翌日も時々山崩れ。火山活動との関係不明。 |
| 1974~78(昭和49~53)年 | 噴気 | 74年9月~78年2月。大涌谷噴気地帯の移動。樹木枯死。 |
| 2001(平成13)年 | 地震・地殻変動 | 6~10月(最大M2.8小田原市久野で震度2)。箱根山を中心に膨張を示す地殻変動。また、群発地震発生直後から、大涌谷から上湯場付近にかけて噴気地帯が拡大し、大涌谷にある数箇所で、蒸気井の噴出の勢いが増した(暴噴)。 |
| 2008(平成20)年 | 地震・地殻変動 | 4月駒ヶ岳付近で一時的に地震増加(最大M2.6)。9月湖尻付近および芦ノ湖北部で一時的に地震増加(最大M2.5)。12月駒ヶ岳付近で一時的に地震増加(最大M2.8)。6月より、箱根山を中心に膨張を示す地殻変動。 |
| 2011(平成23)年 | 地震 | 3月~4月。東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)以降、駒ヶ岳から芦ノ湖付近、金時山付近、大涌谷北部での地震活動が活発化。有感地震多発。3月11日15:08 M4.6(震度5弱)、3月21日23:14 M4.2(震度2)。 |
| ▲2015(平成27)年 | ごく小規模水蒸気噴火 | 4月26日から地震増加、有感地震多発、5月初め頃からは大涌谷温泉供給施設の噴気が増大した。 6月29日から7月1日にかけてごく小規模な噴火が断続的に発生。6月29日07:32に火山性微動を観測した後、地震活動がさらに活発化し、降灰や空振を観測。また同日の現地調査にて新たな噴気孔(15-1火口)を確認、その後数日でさらに3つの新たな噴気孔を確認。 これ以降、10月頃まではたびたび噴出現象を確認、また地震の多い状態も継続した。 |
| 2019(令和元)年 | 地震・地殻変動 | 大涌谷周辺の想定火口域で活発な噴気活動が継続するなか、3月中旬から山体浅部と深部それぞれの膨張を示すと考えられる地殻変動を観測。4月下旬頃から火山性地震がやや増加し、5月中旬に急増(最大M2.6)。 |


